FC大阪×熊本は830人 花園を離れたホーム戦は3試合とも800人台
結論:祝日から平日14時に移り、会場も東大阪市の花園から吹田市の万博記念競技場に変わったJ3第15節、FC大阪対熊本の入場者数は830人だった。試合はFC大阪が後半アディショナルタイムの決勝点で2-1と勝った。
今季のリーグのホーム戦8試合を並べると、花園を離れた3試合はどれも800人台。平日でも花園なら2,000人前後が入っている。観客数を大きく左右しているのは平日かどうかより、「ホームタウンで試合ができるかどうか」だと数字は示している。
この試合の経緯と結果
| 10月5日 | 試合まで約1か月の時点で、会場とキックオフ時間が決まっていないとFC大阪が発表 |
|---|---|
| 10月8日 | 11月3日(火・祝)から11月4日(水)14時に変更し、会場を万博記念競技場にすると発表。クラブは「心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した |
| 11月4日 | FC大阪 2-1 熊本。57分に木匠貴大が先制、85分に熊本の小澤秀充が追いつき、90+2分に伊佐耕平が頭で勝ち越し。入場者数は830人 |
FC大阪は10月8日の発表で、「『応援に行きたくても行くことができない』という方が多くいらっしゃることを、クラブとして大変申し訳なく思っております」とし、熊本のサポーターにも「通常のアウェイゲーム以上のご負担」をかけるとわびた。さらに、「今回だけの問題ではなく、これまで繰り返してきた課題であることを真摯に受け止め」るとしている。
今季のホーム戦8試合の入場者数
| 8月16日(日) | 花園 長野戦 4,229人 |
|---|---|
| 8月22日(土) | ミクスタ(北九州市) 琉球戦 894人 |
| 9月14日(月) | 花園 愛媛戦 1,893人 |
| 9月18日(金) | 花園 福島戦 2,818人 |
| 10月9日(金) | たけびし(京都市) 金沢戦 799人 |
| 10月21日(水) | 花園 奈良戦 1,970人 |
| 10月24日(土) | 花園 鹿児島戦 4,298人 |
| 11月4日(水) | 万博(吹田市) 熊本戦 830人 |
分けてみると、傾向ははっきりしている。
- 花園・週末(2試合):4,229人と4,298人。どちらも4,000人台
- 花園・平日(3試合):1,893人、2,818人、1,970人。週末の半分ほどだが、2,000人前後は入っている
- 花園以外(3試合):894人、799人、830人。土曜でも金曜の夜でも水曜の昼でも、800人台にとどまった
8月の琉球戦は約600km離れた北九州での開催で、土曜でも894人だった。今回の万博は同じ大阪府内で、東大阪からも電車で行ける距離にある。それでも、平日の花園の半分にも届かなかった。曜日よりも、いつもの場所で試合ができないことのほうが観客数に響いている。
平日開催も少なくない。ここまでのホーム戦8試合のうち5試合が平日だった。花園が使える日が限られ、空いている日に試合を入れざるを得ない事情がうかがえる。
FC大阪サポーターの声
発表があった10月8日には、FC大阪のサポーターから「開催まで1か月を切ったこのタイミングでの変更と、平日14時の万博記念競技場開催は本当に残念です」「仕事や学校の都合で応援に行けない人が出てしまうこと自体が悲しいです」という投稿があった。
試合当日は、来られた人たちの声が並んだ。
- 「本日の入場者数🙂平日昼では上出来👏」
- 「発表の入場者数よりも体感すごくみんなが駆けつけた感がありました」
- 「ど平日真っ昼間のゴールに集う異常者の皆さん(褒めてます)」
- 「平日昼間の開催でしたが『きょう観に来て本当に良かったな』と心から感じた試合でした」
ラインダンスで勝利を祝う光景に「感動しました」という声もあった。後半アディショナルタイムの決勝点で、来た人にとっては忘れられない平日になった。
万博記念競技場は、ガンバ大阪のかつてのホームでもある。「一番近いスタジアムへ」と、普段はパナスタに通う人が来場し、「万博記念競技場では初めてのゴール裏」と投稿していた。会場が変わったことで、ふだんは来ない近所の人が足を運んだ面もある。
熊本サポーターの声
負担が大きかったのは、熊本から来る側だ。日程が決まる前の10月5日には、「相手チームの都合でアウェイ遠征を断念せざるを得ないかもしれない。飛行機もたっかいし、飛び石連休の予定もまともに組めない」という投稿が広く読まれた。
祝日に合わせて切符やホテル、休みを取っていた人もいる。「11月4日は大阪に滞在中だけど行かないと決めた」と書いた熊本サポーターは、熊本で行われるFC大阪との対戦では「思いっきり心を込めておもてなしをして復讐する」と続けた。当日、大阪にいながら仕事で行けなかった人からは「夜だったら見に行けたのに…」「悔しい…」という声も出た。
それでも、現地に向かった人はいた。
- 「日程変えられても、平日の昼間でも、このクラブと共に闘います」
- 「行けなくなった方々の分も背負って精一杯選手の後押しをしてきます」
- 「平日アウェイのスタジアムで大阪名物の海鮮丼を食べるのが最高ってやつ」
試合後、熊本の公式Xは「平日にもかかわらず、たくさんの応援ありがとうございました」と投稿した。DAZNで見ていたというサポーターは「平日昼間に現地に行かれたサポーターさん、チームの皆さんお疲れ様でした」と書いている。
論点:「ホームタウン」で試合ができない状態はいつまで続くのか
Jリーグは今年7月、FC大阪の会場が決まらなかった際に「ホームスタジアムを確保するのはクラブの責務」とし、「引き続きFC大阪にはホームスタジアムを確保できるよう尽力いただきたい」と求めている。
FC大阪は2024年12月、東大阪市と協定を結び直し、花園の第2グラウンドを改修して2028年3月末までに5,000席のスタジアムを建てて市に寄付するとしている。それまでは、ラグビー場である花園の日程を他の競技と分け合うしかない。
この先の予定は、11月22日(日)が花園の讃岐戦、11月25日(水)が花園の栃木SC戦。11月3日時点のJリーグの日程では、12月以降のホーム戦8試合の会場がまだ「未定」になっている。
この日の勝利で、FC大阪はJ2昇格プレーオフ圏の6位に上がった。チームが上を狙える位置にいるからこそ、数字が示す課題は重い。花園の週末なら4,000人が集まるクラブが、会場が変わるたびに800人台になる。応援したい人がいても、場所と時間が合わなければスタジアムには来られない。この試合の830人は、平日に来た人の熱さと同時に、来られなかった人の多さも示している。
なお、紹介した声はSNS上の投稿であり、サポーター全体の意向を示すものではない。入場者数は報道とクラブ・データサイトの公表値をもとにしている。