SNS全盛の時代に、浦和レッズが示した「撮影されない権利」 ゴール裏の動画投稿をめぐり議論
浦和レッズが10月24日、試合会場における撮影マナーと肖像権等の保護について、改めて注意喚起を行った。
SNSではゴール裏の熱気や応援風景を収めた動画が数多く投稿される。スタジアムの魅力を広く伝える手段として定着する一方、映像に映るすべての人が撮影や公開を望んでいるとは限らない。
今回の浦和の発表は、そんなSNS時代のスタジアム文化に一石を投じるものとなった。
無断撮影を受け、クラブが改めて注意喚起
浦和レッズは、以前から撮影マナーについて呼びかけていたものの、その後も来場者間のトラブルが断続的に発生していると説明している。
今回の発表では、FC東京戦とジェフユナイテッド市原・千葉戦において、応援アイテムの準備や片付けをしている個人が無断で撮影された事例を挙げた。
クラブは写真や動画の撮影そのものを否定しているわけではない。
一方で、特定の個人を無断で撮影・投稿しないことや、映り込んだ人物の肖像権に配慮することなどを求めている。
SNSではクラブの姿勢を評価する声と、実効性を問う声
発表を受けたSNSでは、クラブの対応を支持する意見が見られた。
「もっと強く注意喚起してほしい」「特定の人物を無断で撮影する行為は問題だ」といった声に加え、注意喚起だけでなく具体的な対応を求める投稿もある。
一方、「注意するだけでは効果がないのではないか」と実効性を疑問視する意見や、撮影の線引きについて考える声も見られた。
また、一部では特定の動画投稿者を問題視する反応も広がっている。ただし、個々の投稿者について、クラブが違反を認定したと断定できるものではない。
ゴール裏の熱気を伝えることと、個人の権利を守ること
ゴール裏の映像は、現地の雰囲気を知らない人にとって、サポーター文化に触れるきっかけにもなる。
その発信自体には価値があるだろう。
しかし、応援している姿や準備・片付けをしている様子が、本人の知らないところで撮影され、不特定多数に公開されることを不快に感じる人もいる。
撮影する側の自由がある一方で、撮影されたくないという意思も尊重されるべきだ。
SNS時代だからこそ意味のある問題提起
SNSでの発信力が注目される時代に、浦和レッズが改めて個人の肖像権やプライバシーの保護を訴えたことは、評価に値するのではないだろうか。
大切なのは、応援風景を発信する文化を否定することではない。
誰かの応援する姿をコンテンツにする際、そこに映る人への配慮があるかどうかだ。
スタジアムは、動画を撮影するためだけの場所ではなく、サポーター一人ひとりが安心して試合を楽しむ場所でもある。
浦和の今回の発信は、他クラブのサポーターにとっても、撮影とSNS投稿のあり方を考えるきっかけになりそうだ。